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高尿酸血症の方のための運動療法の基本

高尿酸血症の方のための
運動療法の基本

運動をしないといけないとわかっていても、どうしていいかわからない。
何から始めたらいいの…

そんな方のために、高尿酸血症の方のための運動療法の基本をご紹介します。
あなたの運動療法も、まずはここから。

基本

尿酸値を上げない生活を送るためには「運動」も大切です

高尿酸血症の治療には、薬物療法の有無にかかわらず生活習慣を改善し、「尿酸値を上げない生活を送ること」が大切です。そのためにも、食事療法・飲酒制限・運動によって生活習慣を改善し、高尿酸血症のリスクを減らしましょう。
リスクの1つである肥満の解消に取り組む際には、食事療法だけでなく、運動もセットで行うことが大切です。

基本

「習慣化した適切な運動」が基本です

高尿酸血症の方の運動の目的の1つは「減量(肥満の解消)」です。太り気味の方は、体重を減らし、内臓脂肪量を減らすことで、尿酸量の低下と痛風の予防が期待できます。一方で、運動の方法を間違えると、かえって体中の尿酸量が増えてしまうこともあります。
そのため、尿酸値が高い方に適した運動方法や運動量の知識を持ち、適切かつ適度な運動を続けて習慣化することが大切です。

基本

運動を始める前に、主治医に相談しましょう

高尿酸血症の方では、急激なダイエット(減量)や不適切な運動で、尿酸値が上がってしまうことがあるため、運動を始める前に自分に合った運動方法や運動量を確認しましょう。
尿酸値を上げてしまう運動とは、重い負荷をかけるウエイトトレーニングや短距離走のような激しい「無酸素運動」です。尿酸値が高い方には、適度な強度の「有酸素運動」 が適しており、運動中も適切な水分補給が必要です。
また、痛風症状の有無によっても適した運動が違ってきます。まずは、自分にとって適切な運動の方法を知り、いきなり激しい運動をせずに、日常生活における活動量(生活活動量)を増やすことから始めてみましょう。

運動を始めるにあたってのポイントとは?

自分に合った運動強度・運動メニューを知ろう

今まで運動をしていなかった方と、いつも体を動かしている方では、適切な運動強度が異なります。また、有酸素運動をしているつもりでも、強度を上げすぎると無酸素運動となり、逆効果になってしまうことも。
そこで、運動の強さ(エネルギー消費量)の単位である「メッツ」を活用します。メッツは安静時を1としていて、たとえばストレッチは2.3メッツ、ラジオ体操第1は4.0メッツ(座って行う場合は2.8メッツ)になりま1)
自分にとって適切な運動の内容は、自身の運動習慣に合わせたメッツが目安になります()。

監修:大山博司先生

なお、痛風の症状がある方は、ジャンプをしたり、足の親指や足首に刺激が加わったり、捻挫や怪我をしやすい「関節への負担が大きい運動(テニス、サッカーなど)」は避けた方が安全です。とくに痛風を発症したことがある方や、痛風の症状があらわれた関節への強い刺激は、その後の痛風の発症を誘発する可能性があるので注意しましょう。

1)厚生労働省:生活活動のメッツ表(2023年8月版) https://e-kennet.mhlw.go.jp/wp/wp-content/themes/targis_mhlw/pdf/mets.pdf
[2024年2月閲覧]

十分に水分を摂りましょう

大量の汗をかくと体内の水分量が減り、体内の尿酸の濃度が一時的に増えます。そのため、水分を十分に補給しないと血液中の尿酸濃度が上がったままになり、痛風の発作につながってしまいます。
尿酸値の高い方は、健康な方よりも多い、1日2~2.5Lの水分補が勧められますが、運動をする場合は、運動前後や運動時にも多めに水分を摂ることを心がけましょう。また、運動中にもこまめに水分を摂るようにします。

水分補給には、水や麦茶がオススメです。
スポーツドリンクやエナジードリンク、ジュースなどを飲みたくなる方もいるかもしれませんが、甘い飲みものに含まれる砂糖や果糖などは、血糖値や尿酸値を上げてしまいますので、飲みすぎないようにしましょう。

※ 飲水量と食物などから摂取した水分量の合計

注)心臓や腎臓の病気のために医師から水を飲む量を制限されている場合は、医師の指示に従ってください。

※高尿酸血症と診断された方や痛風の発作を生じている方は、運動を行う前に主治医へ相談してください。

※ご紹介する運動方法や運動量は、尿酸値が高い方を考慮した一例です。

※自分に適した運動方法や運動量は、個人によって異なります。

※イラストはイメージです。